当会の研究集会は、第1回の横浜大会から、コロナ禍による中断を経て、今大会で第24回を数えました。2018年度の大会以来の、久々の対面開催、雑談のできる空間、肩をたたき合える空間で、実りある集会が行われるよう、準備を進めてまいりました。

私たちは、今大会の大会テーマを「心理教育を脱構築する～対話・つながり・希望～」といたしました。診断-治療枠組みの問い直しの提案、既存の薬物療法の限界の提示、強制的な治療の有害性についての問題提起などが、精神医療の周辺から、人々の声として上がってくるようになりました。わたしたちは、心理教育やその土台をなしている精神保健医療福祉システムの既存の枠組みや体系の意味を問い直し/解体し、新たな可能性に満ちた枠組みの構築を試みようと思います。

求めることは、心理教育やその土台となる場が“声を聞き合う、つながりを増やす、希望を持てる”明確な場となることです。それは、安心できる環境で声を聞き合う対話があること、人と人とのつながりのふかまり/ひろがりがあること、今の自分や環境への希望の実感があることが、わたしたちの人生の価値を育むのではないかと、考えるからです。

心理教育も含めた治療や支援の場が、“声を聞き合う、つながりを増やす、希望を持てる”場となっているか、これらを阻害する場になっていやしないか、そのような検証をおこないつつ、これからの心理教育のありかたについて、参加者のみなさんと立場の垣根を越えて対話を重ねあえる、そんな研究集会にしたいと思います。

一橋講堂は、集まるのに利便性のある、千代田区一ツ橋にあります。プログラムに参加するだけではなく、久々の対面での再会を味わい、喜び合うには格好の立地です。

多くのみなさまとお会いできることを、楽しみにしております。

日本心理教育・家族教室ネットワーク
第24回研究集会　関東大会
大会長　伊藤順一郎
実行委員長　福井里江